純水で洗車をするとどう違う?実際に検証してみました。
水道水は「キレイ」じゃない?純水と水道水はどう違う?
多くの洗車専門店、高級洗車サービスで謳われる「純水使用」。
過去の記事でJAPAN GOLD WASHでも高性能な純水器を使用していることと、純水についての説明を書きました。
今回は実際に「どんな違いが生まれるのか」をご理解いただくために、ちょっとした実験を行ってみました。
また純水を使用した洗車の注意点についても触れています。
純水と水道水、違いは乾いた後に
純水と水道水の違いは洗車が終わった後、水滴が乾く際に現れます。
みなさんご家庭の台所やお風呂場で、このような跡を見たことはありませんか?
多くの方が、一度は目にしたことがあるかと思います。
これらの跡、いわゆる水垢と呼ばれるものは、水に含まれる様々な不純物が蒸発する段階で残ったものです。
お風呂場や台所では、洗剤や食品の成分により特に跡が目立ちますが、ただの水道水であってもこの水垢は残ります。
では実際に水道水と純水でどの程度の違いが現れるのかをテストしてみたいと思います。
水道水を乾燥させると
テストに使用するのはJAPAN GOLD WASHの社用車、N-VANのリアサイドガラスです。
元々はこのように綺麗なガラス面です。
乾燥後がこちらです。
いかがでしょうか?
ただの水道水をホース付属のノズルで霧状に吹きかけて、乾燥させた状態です。
日本の水道水は人間が飲料用にしても問題ないような綺麗さになっていますが、不純物が全く含まれていないわけではありません。
消毒用塩素の残留物や、ナトリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル類も含まれています。
平成27年の日本調理学会の研究によると、東京の水道水サンプルには、ナトリウム18.72mg/L、カルシウム26.09mg/L、カリウム2.25mg/L、マグネシウム4.81mg/L、ケイ素8.52mg/Lなどが含まれていたとなっています。
(引用元:https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience/49/1/49_74/_pdf)
こうした不純物は、普段は水に溶け込んでいます。
しかし水が乾燥した時には、不純物が取り残され水垢(ウォータースポット)となってあらわれるのです。
JAPAN GOLD WASHで使用している純水器では、この水道水を純度の高いほぼ100%の水、「純水」にすることができます。
純水の測定方法には様々なものがあり、一般的にはTDSメーター(Total Dissolved Solids:総溶解固形物)の測定により、「◯◯ppm」「〇〇μS/cm」といった単位で表されます。
JAPAN GOLD WASHでは1μS/cm(≒0.5ppm)まで測定可能な高精度な測定器を用いて純水の水質チェックを行っております。
先ほどの窓ガラスの実験で使用した水道水の測定値は
168μS/cmでした。
これでも水道水の中では低い方で、地域によっては250μS/cm程度の場所もあります。
純水を乾燥させると
続いて純水器を用いてほぼ100%水のみになった「純水」、測定値は1μS/cmの水にてテストします。
同じ程度の水の量をガラスに付着させてテストしていますが、こちらは水道水に比べて遥かに不純物が少なくなっています。
ガラス面やボディ、水道ホースの内部などにわずかに残る不純物により、わずかな水の跡が残っていますが、ウォータースポットは圧倒的に少なくなっているのがわかるかと思います。
この圧倒的に少ない不純物のおかげで、ウォータースポットのない綺麗な仕上がりにできるのです。
「純水は拭き上げ不要」って本当?
純水を生成する装置が販売される際、「水垢知らずで拭き上げ不要!」といった謳い文句が掲げられることがあります。
実際のところはどうか?といいますと、「拭き上げは必要」というのがJAPAN GOLD WASHの見解になります。
どんなに高性能な純水器を使用していたとしても、実際使用の現場では車両のボディ表面、ホースや高圧洗浄機の内部、空気中などから不純物が多少なりとも紛れ込みます。
純水の実験画像のように、全く水の跡が残らないわけではないのです。
仮にホコリなども全くないクリーンルームで、精製された純水を純水器からそのまま直接かけたりすれば、理論上は全く水の跡は残らないのかもしれませんが、現実的ではありません。
これが業務用ではなく家庭用の純水器であれば、尚更「水垢知らず!」とは行かないことはご想像いただけるかと思います。
純水を使用するのはウォータースポットが付着する「可能性を減らす」ためであり、最終的にはきちんとしたエアブロー、拭き上げを行わなければ良い仕上がりは得られません。
純水を使うからこそ、「すすぎ」が重要
上記のように、ボディ表面に不純物が残っていると、純水を使用してもウォータースポットの原因となってしまいます。
これは洗車の際に使用する「洗剤」も同様です。
純水を使用してウォータースポット対策をしているにもかかわらず、十分なすすぎが行われずにボディ表面に洗剤が残っていたりすると、純水を使用する意味がありません。
洗剤そのものが不純物となり、乾燥した際に水の跡が残ってしまいます。
ウォータースポットの残りづらい純水を使用するからこそ、ボディに洗剤が残らないようにしっかりとすすぎを行うことで、ハイクオリティな仕上がりを実現しています。
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