マイクロファイバークロスの選び方を洗車のプロが解説!

マイクロファイバークロスは○○が大事!

洗車の際に誰もが使っているマイクロファイバークロスですが、このマイクロファイバークロスも選び方が大事です。

いまではネット通販やホームセンターなどでも手に入るようになっていますが、実は本格的なマイクロファイバークロスは種類が沢山あることをご存知でしょうか?

それぞれのメリット、デメリットを活かすようにマイクロファイバークロスを使い分けることで、更なる洗車クオリティの向上が実現できます!

マイクロファイバークロスの性能

マイクロファイバークロスに要求される性能は、大きく分けて5つあります。

・吸水性
・速乾性
・柔軟性
・掻取性
・耐久性

 

吸水性

吸水性は、文字通りどのくらいの量の水を吸い取ることができるか、という性能です。
洗車をする上では作業効率の部分に関わって来ます。

吸水性が低いと、頻繁にクロスを替えたり絞ったりしなければならないのはもちろん、水の拭き筋が残ってしまうことがあります。
拭き筋が残ってしまうと、もう一度拭き直さなければいけないので手間がかかります。
白やシルバーのボディーカラーでは多少の拭き残しは目立ちませんが、黒や紺などの濃色系は光に当たると拭き筋が目立ちます。

そういった状態を防ぐためにも、吸水性が良いマイクロファイバークロスを選ぶのが重要です。

速乾性

マイクロファイバークロスは速乾性も重要です。

通常のタオルや安価なマイクロファイバークロスは、一度水を吸ってしまうと絞ってもなかなか乾きません。

織り方や毛足の長さなどにもよりますが、高性能なマイクロファイバークロスは速乾性もよく、しっかりと絞るとまた水を吸収してくれるようになります。

マイクロファイバーの繊維自体は石油製品から作られる樹脂、つまりプラスチックのようなものです。
製造時に表面に凹凸を付けたり、細かな繊維を撚り合わせたりすることでたくさんの水を含むことができるようになっていますが、繊維そのものが水を吸うことは有りません。

なので、絞って水を吐き出すことで、すぐに乾燥して再使用できるようになります。

掻取性

掻き取りの性能は主にワックスやコーティングの拭き上げ時に重要になります。

マイクロファイバークロスの繊維の断面は実は円形ではなく、凹みのある多角形をしています。
なので、その多角形の角がボディ表面の汚れや余分なワックスを効率よく掻き取ってくれます。

繊維を製造する段階でこの断面形状は決まってしまうので、繊維によって掻取性は異なります。

繰り返しの使用で劣化してくると、この凹みに汚れが詰まったり、変形して潰れてしまったりして掻取性が悪くなります。

柔軟性

通常マイクロファイバークロスはとても柔らかくふわふわとした肌触りです。
通常のタオルより極細の繊維でできているため、非常に柔らかくボディを傷つけづらいようになっています。

マイクロファイバークロスはナイロンやポリエステルなどの化学繊維が原料です。
それぞれの素材の配合率や繊維の太さ・長さ、織り方などで柔軟性が変わってきます。

メーカーや商品によって差があるので、極力柔らかいものを選ぶようにしましょう。

耐久性

マイクロファイバークロスは繊維が非常に細いですが、化学繊維でできているため天然素材のタオルなどに比べると痛みづらいです。
しかし、繊維の柔軟性や吸水性は、使用したり洗濯したりするたびに落ちていきます。

耐久性が低いマイクロファイバークロスは、数回の洗濯でかなりごわごわになってしまったり、水を吸わなくなってしまうことがあります。
そういったクロスを利用し続けると、洗車のクオリティが下がるばかりかボディを痛める原因にもつながってしまいます。

かと言って毎回新品のクロスを利用することも現実的ではないので、なるべく耐久性の高いクロスを使うのが良いでしょう。

 

マイクロファイバークロスの種類

織り方、表面処理

マイクロファイバークロスにはいくつかの織り方と表面処理の違いがあります。

・パイル地

通常のタオルなどのように、繊維がループしている状態のものです。
ほつれにくく丈夫で耐久性に優れますが、柔軟性ではシャーリング地に劣ります。

・シャーリング地

パイル地のループしている部分をカットし、なめらかな質感にしたものです。
毛先が端面になっているので、非常に柔らかく柔軟性に優れます。
カットされているため繊維の抜けによるヘタリがあるので、耐久性ではパイル地などに劣ります。

・ワッフル織り

お菓子のワッフルのような四角い凹凸のある表面が特徴の織り方です。
繊維を浮かせて織っているため、柔らかな質感と吸水性の高さが特徴です。

またしっかりと織り込んであるため、ほつれが少なく糸くずも出にくい織り方です。

・起毛処理

マイクロファイバーの繊維を割いて毛羽立たせ、更に表面積を増やしたものです。
柔軟性においては最も優れ、非常に柔らかい触り心地になります。
洗濯などで繊維が絡まるとゴワゴワしたり、そもそも繊維が切れたり抜けたりしやすいので、耐久性は劣ります。

素材

主にナイロンやポリエステルなどの化学合成繊維でできています。

特性として静電気が帯電しやすいため、ホコリなどを吸着します。
また化学繊維なので耐薬品性が高く、天然の素材では使用できない薬品の使用にも向いています。

ナイロン製のマイクロファイバーについては、ポリエステルに比べて摩擦などに強く折り目などのも付きづらいですが、酸性の溶剤に溶けてしまうという弱点があるので注意が必要です。

毛足の長さ

多くの市販されているマイクロファイバークロスは、裏表で毛足の長さが異なります。
一般的に毛足が短いパイル地と、毛足が長いパイル地もしくはシャーリング地の組み合わせが多いです。

毛足が長いほうが柔軟性、吸水性に優れますが、長すぎると拭き取りの際の抵抗が大きく作業性が悪いです。

またワックスやコーティングの仕上げ拭きには、ある程度コシのある毛足が短いもののほうが扱いやすく、シャーリング地よりパイル地のほうが余分なワックスやコーティング剤を効率よく拭き取ってくれます。

縫製

格安で売られているマイクロファイバークロスや、ワックス・コーティング剤に付属のクロスにありがちなのが、フチにパイピングで縫製処理が施されているものです。

切断面が切りっぱなしではほつれてしまうのですが、こうした縫製処理がされた部分は固く傷の原因になりやすいです。
洗車用途に使用する場合は、周囲が縫製処理されておらず、商品タグなどもついていないものが適しています。

 

マイクロファイバークロスの選び方

織り方、素材、毛足の長さなどで性能が変わってくることがおわかりいただけたかと思います。

マイクロファイバークロスを選ぶときには、どの性能が一番重要かを踏まえて、使用用途に合わせて選ぶことが大事です。

洗いに使うのであれば、柔らかく汚れを取り込む毛足の長いものを。
拭き上げに使うのであれば、吸水性がありつつ拭き取りのしやすい織り方のものを。
ワックスの仕上げであれば、掻取性に優れた繊維の形状のものを。

適材適所でマイクロファイバークロスを使い分けることが、洗車のクオリティを上げる秘訣です。