9月 6, 2020 3:30 pm Published by ichigeki.pikalin プロ仕様の「泡」の秘密はフォームノズルにあり!
御存知の通りJAPAN GOLD WASHは出張洗車のサービスをメインとしております。
この記事をご覧になっている貴方は、「出張洗車」と聞いて一体どの要な洗車をイメージするでしょうか?
ホースの水でで車全体を流す。
バケツに洗剤と水を入れて泡立ててスポンジで洗う。
また水で流してタオルで拭き上げる。
たしかにそれが一般的な洗車の方法かもしれませんね。
しかし、スペシャリティな車両をメインに扱う私たちJAPAN GOLD WASHの洗車は、やり方も道具も通常の洗車とは異なります。
今回はそんなJAPAN GOLD WASHが出張洗車で使用する「フォームノズル」についてご説明します。
「フォームノズル」とは
「フォーム」とは「泡」の意味です。
よくシェービングフォーム、洗顔フォームなどという言葉として使われていますね。
洗車の際にも泡を使いますが、その泡を作り出す装置がフォームノズルになります。
洗車に凝っている方で、ご自宅に高圧洗浄機を持っている方は、もしかしたら高圧洗浄機付属のフォームノズルをお持ちかもしれません。
またホームセンターに行くと、手動で泡を作り出すフォームボトルや、通常の水道のホースにつなげて使用するフォームノズルも売っていたりします。
なぜフォームノズルが必要なのか?
通常自宅で洗車をする方の多くは、バケツに洗剤を入れて、ホースなどで水を入れて泡を立てていると思います。
しかしこのやり方だと、いちいちバケツから泡を取ってボディを洗う、という作業になるので手間がかかります。
また泡自体も荒い泡になってしまうので、比較的すぐ流れ落ちて消えてしまう泡です。
洗いの作業に時間がかかると、ボディが乾いてしまって逆に水垢やシミの原因になってしまいます。
また泡が荒い状態でボディをこするように洗ってしまうと、洗車キズの原因にもなります。
そこで、フォームノズルを使用してきめ細かい泡をスピーディーに作ることで、洗車のクオリティをより高めることができるのです。
プロ仕様のフォームノズル
フォームノズル自体は、先に述べたように高圧洗浄機付属のもの、ホームセンター等で入手できるものなど、意外に多く存在します。
しかし、これまで数々のフォームノズルを試してきた経験からすると、市販されている多くのフォームノズルは十分な性能を持っていません。
一般的な水道のホースにつなげるタイプのノズルは、価格が5,000円以下で手に入り高圧洗浄機も不要なのでリーズナブルですが、水の量が多いためかなり緩めの泡になります。
かなり濃いシャンプーをつかっても、張り付くような濃密な泡にはなりません。
手持ちのフォームノズルは水と洗剤の量を自由に調整できるので、泡は比較的濃い目の泡を作り出すこともできます。
しかしポンピングしながら泡をボディに吹き付けていく形になるので、ボディ全体を一度に作業することができません。
部分的に分けてやらないと、泡が流れ落ちたり乾いたりしてしまうので、作業にかかる時間が大幅に増えてしまいます。
やはりプロが使用するフォームノズルとしては、高圧洗浄機で使用するタイプが適しています。
しかしK社やM社の高圧洗浄機に標準で付属してくるフォームノズルは、洗剤と水の割合の調整、泡の出る幅の調整などが一切ありません。
また泡自体も荒く水気の多い泡が出てくるので、すぐに流れ落ちてしまいます。
ボディ表面に十分な泡が残らない状態だと、乾いてシミになってしまったり、細かいゴミやホコリによる洗車傷がつきやすくなってしまいます。
そのため、JAPAN GOLD WASHでは水と洗剤の量の調整、泡の出る幅なども調整ができるプロ仕様のフォームノズルを使用しています。
ノズルに合わせた専用の洗剤と合わせて使用することで、ボディに張り付くような濃密な泡を作り出すことができます。
フォームノズルは必須装備
プロとして洗車を行うに当たって、やはりフォームノズルは必須装備です。
・スピーディに洗いの作業を完了させる
仕上げに十分な時間を割くことができる
泡が消える前に洗うことで乾きによるシミの発生を防ぐ
・濃密な泡で洗車をする
十分に汚れを浮かせて洗車傷を防ぐ
ボディに張り付く泡で乾きによるシミの発生を防ぐ
ただしこのフォームノズルは、十分な洗車スペースがある場所でのみ実施可能なリッチな洗車方法になります。
場所によってはフォームノズルを使用した洗車が実施できない場合もありますので、詳しくはお問い合わせください。
出張洗車のご依頼はLINEにて受付を行なっております!
お気軽にご連絡ください。
8月 27, 2020 6:50 pm Published by ichigeki.pikalin ディテーリングって何?
日常生活ではあまり聞き慣れない言葉かもしれませんね。
ディテーリングとは、Detail(細部)という英単語が由来となっている言葉です。
「細部まで綺麗にする作業」、それがディテーリングです。
洗車業者、コーティング業者などの間ではよく使われる言葉になります。
ディテーリングの例
実際にはどんなことをするの?という部分ですが、私たちJAPAN GOLD WASHが日頃から行っている部分でいうと、グリルやエンブレムなどのスケール落とし等が挙げられます。
こちらは会員様のランボルギーニ・ウルスのエンブレムを、ボディ専用のブラシでディテーリングしているところです。
洗車も道具選びが非常に大事です。
通常の洗車で使用しているマイクロファイバータオルでは、こうしたエンブレムの細かい部分に入り込んだ汚れを落とすことができません。
なので、全体の洗車をして一回泡を落とした後に、再度汚れが残っている部分を細く仕上げていきます。
最近のレクサス車のスピンドルグリルや、ダクト部分のメッシュなど、こうした細かい部分も毎回必ず綺麗にします。
普通に洗っただけでは汚れを落とせない部分だからこそ、汚れが溜まってこびりついてしまい、やがて落ちない汚れになってしまいます。
JAPAN GOLD WASHでは毎月定期的に洗車をする際、こうしたところまで綺麗にすることで、常に新車のような綺麗さを維持しています。
オプションメニューによるディテーリング
ディテーリングの作業は、その他にも多岐にわたります。
- ブレーキダストの除去
- メッキモールのクリーニング
- シート、マットのシミ除去
- ボディのウォータースポット除去
- ガラスのウォータースポット(ウロコ)除去
- ヘッドライト黄ばみ除去
ブレーキダストやウォータースポットなど、通常の洗車で落ちないものは特にノウハウが求められます。
強力すぎる溶剤や道具を使用してしまうと、ボディやガラスそのものを傷つけるリスクもあります。
かといって、通常の洗剤やスポンジでいくらこすったところで落とすことはできません。それどころか洗車キズになってしまうことすらあります。
ディテーリングを行う箇所の材質や色などにあわせて、最適な道具と溶剤を組み合わせて作業を行うこと。
それがお車を痛めることなく綺麗な状態にする秘訣です!
【JAPAN GOLD WASHのオプションメニューはこちら】
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7月 27, 2020 11:17 am Published by ichigeki.pikalin マイクロファイバークロスは○○が大事!
洗車の際に誰もが使っているマイクロファイバークロスですが、このマイクロファイバークロスも選び方が大事です。
いまではネット通販やホームセンターなどでも手に入るようになっていますが、実は本格的なマイクロファイバークロスは種類が沢山あることをご存知でしょうか?
それぞれのメリット、デメリットを活かすようにマイクロファイバークロスを使い分けることで、更なる洗車クオリティの向上が実現できます!
マイクロファイバークロスの性能
マイクロファイバークロスに要求される性能は、大きく分けて5つあります。
・吸水性
・速乾性
・柔軟性
・掻取性
・耐久性
吸水性
吸水性は、文字通りどのくらいの量の水を吸い取ることができるか、という性能です。
洗車をする上では作業効率の部分に関わって来ます。
吸水性が低いと、頻繁にクロスを替えたり絞ったりしなければならないのはもちろん、水の拭き筋が残ってしまうことがあります。
拭き筋が残ってしまうと、もう一度拭き直さなければいけないので手間がかかります。
白やシルバーのボディーカラーでは多少の拭き残しは目立ちませんが、黒や紺などの濃色系は光に当たると拭き筋が目立ちます。
そういった状態を防ぐためにも、吸水性が良いマイクロファイバークロスを選ぶのが重要です。
速乾性
マイクロファイバークロスは速乾性も重要です。
通常のタオルや安価なマイクロファイバークロスは、一度水を吸ってしまうと絞ってもなかなか乾きません。
織り方や毛足の長さなどにもよりますが、高性能なマイクロファイバークロスは速乾性もよく、しっかりと絞るとまた水を吸収してくれるようになります。
マイクロファイバーの繊維自体は石油製品から作られる樹脂、つまりプラスチックのようなものです。
製造時に表面に凹凸を付けたり、細かな繊維を撚り合わせたりすることでたくさんの水を含むことができるようになっていますが、繊維そのものが水を吸うことは有りません。
なので、絞って水を吐き出すことで、すぐに乾燥して再使用できるようになります。
掻取性
掻き取りの性能は主にワックスやコーティングの拭き上げ時に重要になります。
マイクロファイバークロスの繊維の断面は実は円形ではなく、凹みのある多角形をしています。
なので、その多角形の角がボディ表面の汚れや余分なワックスを効率よく掻き取ってくれます。
繊維を製造する段階でこの断面形状は決まってしまうので、繊維によって掻取性は異なります。
繰り返しの使用で劣化してくると、この凹みに汚れが詰まったり、変形して潰れてしまったりして掻取性が悪くなります。
柔軟性
通常マイクロファイバークロスはとても柔らかくふわふわとした肌触りです。
通常のタオルより極細の繊維でできているため、非常に柔らかくボディを傷つけづらいようになっています。
マイクロファイバークロスはナイロンやポリエステルなどの化学繊維が原料です。
それぞれの素材の配合率や繊維の太さ・長さ、織り方などで柔軟性が変わってきます。
メーカーや商品によって差があるので、極力柔らかいものを選ぶようにしましょう。
耐久性
マイクロファイバークロスは繊維が非常に細いですが、化学繊維でできているため天然素材のタオルなどに比べると痛みづらいです。
しかし、繊維の柔軟性や吸水性は、使用したり洗濯したりするたびに落ちていきます。
耐久性が低いマイクロファイバークロスは、数回の洗濯でかなりごわごわになってしまったり、水を吸わなくなってしまうことがあります。
そういったクロスを利用し続けると、洗車のクオリティが下がるばかりかボディを痛める原因にもつながってしまいます。
かと言って毎回新品のクロスを利用することも現実的ではないので、なるべく耐久性の高いクロスを使うのが良いでしょう。
マイクロファイバークロスの種類
織り方、表面処理
マイクロファイバークロスにはいくつかの織り方と表面処理の違いがあります。
・パイル地
通常のタオルなどのように、繊維がループしている状態のものです。
ほつれにくく丈夫で耐久性に優れますが、柔軟性ではシャーリング地に劣ります。
・シャーリング地
パイル地のループしている部分をカットし、なめらかな質感にしたものです。
毛先が端面になっているので、非常に柔らかく柔軟性に優れます。
カットされているため繊維の抜けによるヘタリがあるので、耐久性ではパイル地などに劣ります。
・ワッフル織り
お菓子のワッフルのような四角い凹凸のある表面が特徴の織り方です。
繊維を浮かせて織っているため、柔らかな質感と吸水性の高さが特徴です。
またしっかりと織り込んであるため、ほつれが少なく糸くずも出にくい織り方です。
・起毛処理
マイクロファイバーの繊維を割いて毛羽立たせ、更に表面積を増やしたものです。
柔軟性においては最も優れ、非常に柔らかい触り心地になります。
洗濯などで繊維が絡まるとゴワゴワしたり、そもそも繊維が切れたり抜けたりしやすいので、耐久性は劣ります。
素材
主にナイロンやポリエステルなどの化学合成繊維でできています。
特性として静電気が帯電しやすいため、ホコリなどを吸着します。
また化学繊維なので耐薬品性が高く、天然の素材では使用できない薬品の使用にも向いています。
ナイロン製のマイクロファイバーについては、ポリエステルに比べて摩擦などに強く折り目などのも付きづらいですが、酸性の溶剤に溶けてしまうという弱点があるので注意が必要です。
毛足の長さ
多くの市販されているマイクロファイバークロスは、裏表で毛足の長さが異なります。
一般的に毛足が短いパイル地と、毛足が長いパイル地もしくはシャーリング地の組み合わせが多いです。
毛足が長いほうが柔軟性、吸水性に優れますが、長すぎると拭き取りの際の抵抗が大きく作業性が悪いです。
またワックスやコーティングの仕上げ拭きには、ある程度コシのある毛足が短いもののほうが扱いやすく、シャーリング地よりパイル地のほうが余分なワックスやコーティング剤を効率よく拭き取ってくれます。
縫製
格安で売られているマイクロファイバークロスや、ワックス・コーティング剤に付属のクロスにありがちなのが、フチにパイピングで縫製処理が施されているものです。
切断面が切りっぱなしではほつれてしまうのですが、こうした縫製処理がされた部分は固く傷の原因になりやすいです。
洗車用途に使用する場合は、周囲が縫製処理されておらず、商品タグなどもついていないものが適しています。
マイクロファイバークロスの選び方
織り方、素材、毛足の長さなどで性能が変わってくることがおわかりいただけたかと思います。
マイクロファイバークロスを選ぶときには、どの性能が一番重要かを踏まえて、使用用途に合わせて選ぶことが大事です。
洗いに使うのであれば、柔らかく汚れを取り込む毛足の長いものを。
拭き上げに使うのであれば、吸水性がありつつ拭き取りのしやすい織り方のものを。
ワックスの仕上げであれば、掻取性に優れた繊維の形状のものを。
適材適所でマイクロファイバークロスを使い分けることが、洗車のクオリティを上げる秘訣です。
7月 20, 2020 1:32 pm Published by ichigeki.pikalin 結局どうなの?シリコン洗車。
前回の記事:
シリコン洗車、実際に試してみました。洗車のプロがその効果を検証!【実践編】
前々回の記事:
今話題の「シリコン洗車」ってなに?洗車のプロが解説【リサーチ編】
これまでシリコン洗車について、リサーチ、検証を行ってきました。
今回は、シリコン洗車が向いている車やオーナーさん、向いていない車、オーナーさん、それぞれを洗車のプロの観点からまとめていきたいと思います!
シリコン洗車の特徴
まずはシリコン洗車の特徴についてまとめていきたいと思います。
シリコン洗車のメリット
◯価格が安く、簡単に手に入る
シリコンオイルはだいたい2,000~3,000円/kg程度です。
単価だけ聞くと少し高い気がしますが、一般的に売られている液体の簡易コーティング剤は300ml程度のスプレーボトルで1,500円~4,000円程度なので、実施できる回数を考えるとお手頃です。
また工業用の汎用品なので、アマゾンなどの通販やホームセンターなどでも比較的容易に入手できます。
◯施工が簡単、リスクが少ない
シリコーンオイル自体が化学的に安定性が高く、人体、車両方ともに悪影響を及ぼすことは殆ど無いです。
車のどの部分に使用しても、変色や変形、劣化が起きることはまず有りませんので、素人の方でも安心して使えます。
施工も塗って拭くだけなので簡単です。拭き上げは塗りムラだけしっかり確認したほうが良いですが、万が一ムラになってもしっかりと洗車をやり直せば落とすことができます。
シリコン洗車のデメリット
✕コーティングのような持続力、保護力はない
ガラスコーティング、セラミックコーティングなどと違い、塗るだけで硬化するものではないので、摩擦からボディーを守る効果は期待できません。
また粘性でボディ表面に張り付いているだけで、化学的な接着性は無いので雨や洗車で流れ落ちてしまいます。
✕汎用の工業製品なので効果が今ひとつ
艶出しであれば固形WAX、キズ消しであればコンパウンド系、撥水であれば専用の液剤に、それぞれ性能は劣ります。
最高のクオリティを求めるのであれば、やはり専用の製品を使用するほうが良いです。
シリコン洗車が向いているケース
シリコン洗車のメリットやデメリットを踏まえると、こういった方にはシリコン洗車はおすすめできるかもしれません。
- 自分の車は自分で手入れをしたい
- 毎週車を洗っている
- クオリティは完璧を求めたりはしない
- 一つの製品でボディ全体をまかないたい
- コストを安く抑えたい
- プラスチックや樹脂を復活させたい
- 傷や汚れが少なくボディがきれい
- 外装に樹脂パーツが多い車
DIY派にとっては、安くてこれ一つでどこでも艶出しや撥水が可能、というのは魅力的だと思います。
持続性が低いというデメリットもありますが、毎週洗車をするような人にはデメリットにはならないでしょう。
樹脂に対する艶出しの効果は非常に高かったので、SUV、クロカン系の樹脂パーツが多く使われた車に使用すると、見栄えの面で効果が大きいと思われます。
シリコン洗車が向いていないケース
- 洗車の頻度が低い、たまにしか洗わない
- 傷などの外部の影響からボディを守りたい
- 濡れたような深い艶が欲しい
- 球のような水弾き(強撥水)が欲しい
- 親水状態にしたい
- ボディが全体的に傷んでいる
日頃からこまめに洗車をしない方については、持続性が低いシリコン洗車は適さないと思われます。
またボディを洗車キズやスクラッチ傷から守りたい、という場合も、保護性能はないので向かないです。
あとは艶や水弾きなどの点で、高いクオリティを要求する方も、シリコン洗車では満足できない可能性が高いです。
汚れ落としや傷消しの効果も薄いので、もともとがあまり綺麗でない車は効果が出づらく、オイルが汚れに付着したり傷に入り込んだりして拭き上げが大変になります。
まとめ
結論から言うと、
「ボディメンテはまとめてこれ一本!」というDIY派には有りかなと思います。
JAPAN GOLD WASHとしては、撥水や艶出し、ボディ保護などは性能が求めるクオリティに及ばないので、今後使用することは有りません。
唯一樹脂パーツの艶出しにおいては十分な効果があるので、今後活躍の機会があるかもしれません。
以上、最近話題のシリコン洗車についての検証でした。
7月 19, 2020 10:54 am Published by ichigeki.pikalin シリコン洗車の艶、撥水、その他の効果を実車でテストしました。
今YoutubeやSNSなどで話題になっている「シリコン洗車」。
前回の記事ではシリコーンオイルとはどういうものか、どういうメリット・デメリットが有るかなどを考察しました。
今回は実際に弊社スタッフ車両をシリコーンオイルを使用して洗車し、その効果を検証していきたいと思います。
前回の記事はこちら
今話題の「シリコン洗車」ってなに?洗車のプロが解説【リサーチ編】
シリコン洗車の施工方法
シリコン洗車の施工は、調べたところによると至って簡単なようです。
- 通常通り洗車をする
- 濡れた状態でペーパータオルやクロスなどに適量のシリコンオイルを染み込ませる
- ボディ等の塗布したい部分に塗っていく
- 乾拭きで仕上げる
濡れた状態のボディにそのまま施工できるというのは、作業性の面では良いですね。
通常ガラスコーティングなどの硬化型コーティングは、一回ボディを完全乾燥させる必要があるので手間と時間がかかります。
ボディへの施工
濡れたボディに塗布した様子です。
思ったほど水と馴染んで伸びるということはなく、水があるところにはうまく乗らない感触でした。
ワックスのようにぬるっとした感覚はなく、クロスが張り付くような引っかかるような感じで、拭くときの抵抗感は重めです。
オイルなのでもちろん水ははじくのですが、KF96は非水溶性なので水との馴染みは悪いです。
よく霧吹きで水をかけて伸ばしたり、ウエスに水を含ませて伸ばしたりしている動画や記事を見かけますが、水を使うよりは50CSより粘度の低いオイルを使用して、乾燥状態で塗布したほうが拭き残しやムラはなくなるように感じました。
機会があれば低粘度のオイルも試してみたいところです。
今回は一旦拭き上げてから、乾燥状態で塗布することにしました。
塗布後に1回軽く乾拭きをした状態です。
オイルらしい虹色の拭きムラが発生しています。
複数回にわけて、きちんと拭き取れば綺麗になります。
ただ普通のタオルやペーパータオルなどでゴシゴシとこすってしまうと間違いなく傷になりますので、マイクロファイバークロスで力をかけずに回数を重ねて拭き取るほうが良さそうです。
マイクロファイバークロスもこまめに新しい面に変えて拭き取る必要があります。
オイルが付着した面で拭いてもムラを消すことができません。
ボディの艶
ウォッシャーノズルより右側が施工済み、左側が未施工です。
正直艶という面では、そこまで大きな効果は感じませんでした。
施工した日が曇天だったこともあるかと思いますが、カルナバロウ含有量の高い高級ワックスのような深いツヤ感は得られませんでした。
ただ施工後のボディの肌触りは、オイルの割にはヌルヌル、ベトベトした感覚はなく、サラッとした良い肌触りになりました。
ボディの傷
爪傷がついている運転席ドアハンドルで試しました。
【施工前】
【施工後】
洗車キズの比較的軽微なものなどは、多少目立なくなる効果がありそうです。
木の枝などのスクラッチ傷や爪傷などと同程度の深さがある傷に対しては、少しマシになった程度の効果でした。
普段手洗いをしていて、そこまで洗車キズがついていない車両などは、シリコン洗車でも細かな傷を隠すことができそうです。
ボディの撥水性
ボディの撥水性に関しては、撥水の効果はありますが強撥水のコーティング剤のように球が流れ落ちるほどではありません。
KF96自体がストレートのシリコーンオイルで、撥水性を強化した製品ではないからだと思われます。
接触角は90°前後といったところでしょうか。
300℃程度の高温で焼付を行うと変質して強固な撥水皮膜になるそうですが、現実的ではありません。
シリコン洗車の撥水性については簡易的な撥水剤や、一般的なワックス程度の感覚です。
ボディのウォータースポット
【施工前】
【施工後】
ウォータースポットに関しては、目で見て体感できるような違いは感じられませんでした。
反応性も低く化学的に安定しているシリコーンオイルでは、固着したウォータースポットを溶かす、落とすような効果はありませんでした。
エンブレム周りや樹脂パーツの取付部の根本などに発生するスケールは、ボディ表面に付着するウォータースポットやイオンデポジットなどと似たようなもので、そこにさらに汚れが付着して溜まっているような状態です。
こういったものは専用の溶剤で化学反応を利用して除去する必要があります。
シリコン洗車ではボディのウォータースポットやスケールなどは落ちません。
ガラスの撥水
外装全体に使用可能という情報が多かったので、ガラスにも塗布してみました。
塗った感覚としては、やはり伸びづらく拭き取りが大変でした。
一般的なシリコン系ウィンドウコーティング剤のほうがムラなくきれいに仕上がると思います。
特にワイパー傷や飛び石キズがあると、その部分にシリコーンオイルが流れ込み、うっすら白く曇ったような見た目になります。
撥水効果はありますが、やはり専用品ほどではありません。
また数分間水をかけながらワイパーを作動させたところ、オイルが流れ落ちたのか撥水効果がなくなっている箇所がありました。
シリコーンオイル自体にガラスやボディにくっつこうとする接着性はないので、やはりすぐに落ちてしまうようです。
ワイパーが反転する場所の撥水が落ちています
シリコン洗車のデメリットとして上げられていたワイパーのビビリや初期の視界の悪さはそこまで感じませんでした。
樹脂・ゴム の艶出し
こちらはかなりはっきりとした変化が見られました。
右側がシリコーンオイルを塗布した箇所、左側が元の色です。
こちらも乾燥状態で塗布した後に乾拭きをしました。
濡れた状態で塗布すると、上の画像のように水滴があった場所だけ馴染みが悪くムラになりました。
ゴム、樹脂共にムラなくしっかりと黒くなりました。ほぼ新品のような見た目です。
ただあまりにも劣化している箇所(表面が完全に白化しささくれだっている)では、効果は薄かったです。
プラスチックレンズ(灯火類)
【施工前】
【施工後】
ヘッドライト、テールライトなどの灯火類レンズに対しての効果は特にありませんでした。
細かな傷などについても効果は薄かったです。
変色などを起こすことはありませんでしたが、逆に黄ばみが落ちたりといった効果もありませんでした。
使用した感想
実際にシリコーンオイルを使用してシリコン洗車をしてみた感想としては、正直なところ動画やSNSで言われているほどの効果は実感できませんでした。
ボディの状態や使用方法にもよって多少の差はあると思いますが、
「そこそこ簡単に施工できて、そこそこ水を弾き、そこそこ艶が出て、そこそこ傷が目立たなくなる」
といった感想です。
よく言えばオールマイティ、悪く言えば中途半端な性能と感じました。
次の記事ではもう少し詳しくまとめを行いたいと思います。
シリコン洗車、結論が出ました。向いてる車、向いてない車をプロが見極め!【まとめ】
7月 14, 2020 2:59 pm Published by ichigeki.pikalin シリコンスプレーで簡単コーティング?話題の「シリコン洗車」を洗車のプロが解説します!
最近Youtubeで見かける「シリコン洗車」というワード。
これまで培ってきたノウハウと、自社の洗車道具、溶剤に自信を持っているJAPAN GOLD WASHですが、新しい情報には興味がわきます。
ということで、シリコン洗車についてリサーチ、実験をしてみることにしました。
まずはリサーチとしてどんなものなのかを調べてみました。
そもそも「シリコン洗車」って?
これまでリサーチしたところによると、シリコン洗車とは
- シリコンスプレーを使用した洗車
- 洗車後、拭き上げの際にシリコンスプレーを噴霧して拭き上げる
- シリコンの層を育てる(?)ためにこまめにシリコン洗車を行う
というものらしいです。
シリコンはたしかにボディーのコーティング剤の主成分として有名ですが、そのオイルをそのままボディに塗布するというのが果たして本当にいい効果があるのかは疑問です。
しかしネット上では絶賛されているようなので改めてリサーチ、検証をしてみたいと思います。
ちなみにメーカー公式ページによると、「シリコン」と「シリコーン」は異なるものだそうです。
「シリコン」とはケイ素という元素の名称であり、その化合物が「シリコーン」になります。
なので、正式には「シリコーン洗車」が正しい呼び方になりますが、ここでは一般的な「シリコン洗車」という言葉を使っていきます。
出典:信越化学工業「シリコーンとは」
https://www.silicone.jp/info/begin1.shtml
シリコン洗車のメリット
メリットとしては以下のようなものがあるようです。
- シリコンスプレーがホームセンター等で安価に手に入る
- 濡れたような艶が蘇る
- 撥水効果が高い
- 施工が簡単で塗りムラになりづらい
- 細かな傷(洗車キズ、スクラッチ傷)が消える
- 未塗装樹脂やゴムの白化を抑え黒い艶がでる
- ガラス、プラスチック、メッキなどボディ全てに使える
メリットを見るとコストパフォーマンスに優れ、かつ綺麗になる素晴らしい洗車方法であるようです。
シリコン洗車のデメリット
デメリットについては、調べた限りではあまり多くなく
- オイルなので埃や花粉が付着しやすい
- ガラスに塗った初期は馴染んでいないと視界が悪い
- 拭き取りが十分でないとムラが発生する
などの情報がありました。
埃や花粉の付着はボディにとって悪影響がありますし、ガラスの視界不良も安全運転に悪影響を与えることになるので、実際に試して確認していきたいと思います。
シリコン洗車の疑問点
シリコン洗車について色々調べたり動画を見たりする中で、気になったことが3点あります。
①ペーパータオル、ウエス、軍手等で塗布している
これは単純に洗車キズになってしまうのでは?と思います。
ただシリコンそのものの問題ではないので、良いクロスを使えばその問題は解消できそうです。
②シリコンオイル自体が自動車のボディ用として販売されているものではない
多くの動画で信越シリコーン製のオイルを使用しています。
一部の方はKUREのシリコンオイルを使っていたりもします。
どちらももともと工業用で、自動車のボディ用に開発された製品ではありません。
塗装に対する影響を十分にメーカーが検証しているかは不明です。
③液体のオイルで傷が消えることがあるのか?
シリコンオイルはあくまでオイルなので、研磨作用等は無いはずです。
また硬化するような組成のものでもないので、ガラスコーティングなどのように傷を埋めて均すような効果もないと思われます。
しかし動画などではかなり多くの方がその効果を実感しているようです。
シリコーンオイルについて
信越化学工業のHPに、シリコーンオイルの性能表が掲載されています。
https://www.silicone.jp/catalog/pdf/kf96_j.pdf
シリコーンとはケイ素の化合物で、有機と無機を兼ね備えた性質を持つ合成樹脂。
これが液状になっているものをシリコーンオイルと呼びます。
合成の仕方や合成される他の物質によりその特性は様々ですが、洗車において特に重要になりそうなのはこの4点です。
・化学的安定性
・生理的不活性
・他材質への非影響性
・撥水性
化学的安定性
シリコーンオイルは化学的安定性が高く、低濃度の酸やアルカリとは反応しないとのこと。
自動車用の洗剤やクリーナーには酸性やアルカリ性のものもありますが、シリコーンオイルが塗布されている状態でそういった溶剤を使用しても問題はなさそうです。
生理的不活性
シリコーンオイル自体は化粧品や医薬品にも使用されていて、触れたり飲み込んでしまったりしても人体に悪影響を与えることは殆どないそうです。
※KF96自体は医療用ではなく工業用です。
他材質への非影響性
金属やガラスはもちろん、ゴムやプラスチックなどあらゆる材質に対して影響が少ないというデータがあります。
一部相性の悪いゴムでは膨潤してしまうものもありますが、一般的に自動車に使用されている素材については問題ないと思われます。
疑問点の2で、ボディに対する影響の懸念がありましたが、このデータを見る限りは問題なさそうです。
撥水性
データ上では接触角90°~110°と強力な撥水作用を持っているようです。
高級ワックスに使用されているカルナバロウに匹敵する接触角です。
最近の高性能な強撥水コーティングは120°~150°程度の接触角を持つものもあるので、それには劣る性能になるかと思われます。
全体的に調べた印象としては悪いものではなさそうです。
次回の記事では実際にシリコン洗車を実施して検証してみたいと思います。
シリコン洗車、実際に試してみました。洗車のプロがその効果を検証!【実践編】
6月 20, 2020 11:08 am Published by ichigeki.pikalin 車のコンシェルジュってなに?
私たちJAPAN GOLD WASHのスタッフは、一人ひとりが「カーコンシェルジュ」であることを目指しています。
車のコンシェルジュって何?と思う方も多いかと思いますが、簡単に言うと「車のことを何でも相談できる人」です。
移動手段や趣味の乗り物として広く普及している自動車ですが、誰でも使えるように作られている反面、その中身について詳しく知っている自動車オーナーはそれほど多くありません。
安全かつ快適に車を利用するには、車について詳しいほうが良いのは言うまでも有りません。しかし様々な技術の集合体である車は、一般の人が簡単に詳しくなれるようなものでも有りません。
だからこそ、私たちは「お客様に一番身近な車のプロ」として、会員様のカーライフを支えることを目標にしているのです。
「コンシェルジュ」とは、「仕える人」である。
ラテン語の「共に仕える人」を語源とするコンシェルジュは、ホテルやクレジットカードなど、高いホスピタリティを掲げるサービスでは一般的なものとなっています。
しかしこと「車」というジャンルに於いては、業界を網羅するコンシェルジュサービスは存在しないのが実態です。
車に関するプロフェッショナルというと、真っ先にディーラーや整備工場などが思い浮かびますね。
しかし彼らは「整備」のプロであったり、「販売」のプロあったり、あくまで特定のジャンルのプロなのです。
そして何より、そういった方々は多くの場合、「身近な存在」ではないでしょう。
もちろん私たちJAPAN GOLD WASHは「洗車」のプロです。
しかし、毎月会員様と顔を合わせ、会員様の車に触れている「身近な存在」です。
だからこそ、会員様の生活や嗜好、会員様の愛車の状況をよく知っています。
そんな私たちは会員様にとって「一番身近な自動車関係のプロ」であり、相談相手となっています。
その相談に応えるべく、日々自動車業界の様々なジャンルにコネクションを作ることに励んでおります。
プロだから知り得る業界の情報や、評判のいい本物のサービスを、私たちは会員様に惜しみなく提供します。
お客様の目となり耳となり、業界の最新情報を常に仕入れ、最高級のサービスを提供する。
まさに会員様にお仕えする「カーコンシェルジュ」なのです。
カーコンシェルジュとしての実例
先日会員様の洗車を行っている際、こんな事がありました。
洗車を担当したスタッフは、タイヤホイールの清掃をしている際にあることに気が付きました。
タイヤのショルダー部分がかなり減っており、溝がない状態になっていたのです。
これは高級セダンにありがちな症状ですが、タイヤの消耗が早くなることを承知で、快適性や運転性能を優先したタイヤの取付角度に設計されています。
その際の減り方はタイヤ接地面の中央部に比べて、両サイドや内側が特に摩耗が早くなります。
一見するとそこまでタイヤが減っているようには見えないため、気づかずに運転している方も多いです。
コンシェルジュとして見逃せない状態であったため、お客様にそのことを伝えると、
「諸事情により忙しく、最近点検に持って行けていなかった」
とのことでした。
日頃の走行距離が多い会員様だったため、そのままであれば雨天時のスリップ事故やタイヤのバーストにつながっていたかもしれません。
「ディーラーではいつもタイヤの見積は1パターンしか出てこないが、もっと長持ちするタイヤはないか」
というご相談を頂き、タイヤの取扱種類が豊富なタイヤ専門店をご紹介させていただきました。
カーコンシェルジュとして「日々精進」
自動車業界の中にも様々なジャンルがありますが、それぞれの技術が常に進歩しています。
新しい方法で塗装されたボディ。新素材で作られた窓。より性能の良いエンジンやミッション。燃費やグリップ力が向上したタイヤ。
それぞれの業界にそれぞれのプロフェッショナルが居ます。
どのプロフェッショナルも、自分たちの知識や経験、技術を日々磨いています。
そんな様々な業界のプロフェッショナルを、会員様が必要としたときに迅速にご案内、ご紹介できるように、カーコンシェルジュとしてコネクションの拡大に尽力しています。
もしこの記事をご覧の自動車業界のプロフェッショナルの方で、プロとしての自信と実績をお持ちの方がいらっしゃいましたらご協力頂けますと幸いです。
お問い合わせページよりご連絡ください。
6月 14, 2020 6:26 pm Published by ichigeki.pikalin ガラコで充分?実は知らないガラスコーティングのあれこれ
今年もいよいよ梅雨入り、雨が降りしきる日が続いています。
雨の時期のお車のボディメンテナンスといえば、「ウィンドウコーティング」と「ワイパー」でしょう。
特に近年多い「ゲリラ豪雨」などは短時間に大粒の猛烈な雨が降るため、運転中に遭遇すると急激な視界不良でヒヤッとすることもあるかと思います。
そんなときにも安心して運転できるように、今回は窓ガラスのコーティングについてご紹介致します。
そもそもなぜ視界が悪くなるの?
まずはじめに視界不良の原因についてお話しします。
雨の日に視界が悪くなる原因は「光の屈折」と「光の乱反射」です。
窓ガラスに付着した水滴や水の膜によって光が拡散されたり屈折したりするため、ガラス越しの風景を正しい形状で見ることができなくなります。
海で水面下にある物に手を伸ばしても、波で不規則に水面が揺れて位置がつかめなかったり、うまく距離感がつかめなかったりするのと同様です。
窓ガラスのコーティングはは親水?撥水?
次にコーティングにおいて常に議論される
「親水」VS「撥水」
についてお話をしましょう。
ボディのコーティングと窓ガラスのコーティングの最大の違いは「視界」です。
ボディは塗装面の保護性能、ツヤなどの美観、防汚性能などがメインですが、窓ガラスの場合は「降雨時にいかにクリアな視界が確保できるか」が最大のポイントになります。
そして撥水と親水では、そのクリアな視界に対するアプローチが異なります。
【撥水コーティング】
水玉状に水を弾き、走行風やワイパーを併用することで窓ガラスに水が付着しないようにする。
【親水コーティング】
水を弾かないことで薄い水膜となる状態を作り出だし、安定した視界を確保する。
撥水コーティングは、文字通り水を弾くことでそもそも水が付着しないことを目指しています。
対して親水コーティングは、水の膜を均一にすることでレンズのような役割をしないようにして、視界を確保することを目指します。
風がなく凪いだ状態の湖面が鏡のようになる状態をイメージしていただけるとわかりやすいかもしれません。
では結局どちらが視界確保において優れているのかということですが、フロントガラスについては撥水コーティングをおすすめしています。
確かに親水コーティングも綺麗で均一な水膜を形成できれば、理論上クリアな視界を得ることが可能になるのですが、実際走行中に雨が降っている場合というのは、走行風や降りしきる雨粒の影響で綺麗な水膜を維持することはできません。
結局の所ワイパーを使用することになるのですが、水を弾かない状態だとワイパーの作用だけでは充分に水を払い落とすことができません。
その点、しっかりと撥水コーティングがかかっている状態であれば、ワイパーを使用すればほぼクリアな視界を得ることができます。
また高速道路などで充分な走行風がある場合は、ほぼワイパーを使用せずに走行することも可能です。
こうした理由から、お客様の好みでどうしても親水が良い、という場合を除いて、窓ガラスには撥水コーティングを施工しております。
フロントガラス以外の場所については、お車の保管状況等によって親水コーティングに軍配が上がる場合もあります。
サイドガラスやリアガラスなど、親水状態であっても視界にそこまで大きな支障がない箇所は、ウォータースポットの付着を防ぐという目的で親水コーティングを施工する場合もあります。
コーティング剤の種類
窓ガラスの撥水コーティングは大きく分けて2種類あります。
一般的にカー用品店やガソリンスタンドなどで提供されているウィンドウコーティングは、殆どがシリコン系かと思います。
ソフト99さんの商品でお馴染みの「ガラコ」もシリコン系のコーティング剤です。
シリコン系のメリットは比較的施工が簡単で、製品によっては拭き上げや乾燥が不要なもの、雨が降っているときでも施工可能なものまであります。
デメリットとしてはどの商品も施工後の持続期間はあまり長くなく、快適に水を弾くことができる期間は長くても2~3ヶ月程度です。
対してフッ素系のコーティング剤は持続期間が長いことが特徴です。実際にJAPAN GOLD WASHで施工した車両は6ヶ月程度の耐久性があることが実証されています(耐久性は使用環境により異なります)。
デメリットとしては施工後の乾燥時間が数十分~1時間程度必要で、作業性が悪いという点が上げられます。
撥水性能に関しては、実はシリコン系のほうが水の引きが良いです。しかし実際の施工された車両を比較しても、一般の方が体感できるほどの差はありません。
プロが行うウィンドウコーティングの施工方法
「撥水コーティングをかけてもすぐに落ちてしまう」
「ムラがありきれいに水を弾かない」
などの声をよく聞きます。
原因は主に「下地処理が不十分であること」です。
ガラスは無機質の素材であり、また表面はボディに比べると表面が滑らかであるため、比較的コーティングが落ちやすいです。
下地処理の段階で汚れや油膜が付着していたり、水分が残った状態になっていたりすると、シリコン系でもフッ素系でも耐久性があからさまに下がります。
油膜ってなに?という疑問については、また別の記事でご説明させていただきます。
特にフロントガラスはワイパーで擦られるため、一箇所剥がれ始めるとそこからどんどんコーティングが落ちていきます。
なのでなるべくしっかりと定着させるため、下地をきっちり仕上げてコーティングが定着しやすい状況を作ることが最も大切になります。
工程としては、
- 汚れの除去(洗車)
- 油膜の除去
- 表面の完全乾燥
- コーティング剤塗布
- 乾燥、硬化
- 拭き上げ
となります。
ウィンドウコーティングを長持ちさせる秘訣
窓ガラスの撥水状態を維持するためには、2つのポイントがあります。
1つ目は窓ガラスをきれいな状態に保つことです。
いかに性能がいいコーティングが施されていても、表面にホコリや汚れがついていると充分な効果を発揮できません。
しっかりとコーティングがかかっていれば、濡らしたタオルで汚れを取り、乾いたタオルで乾拭きするだけでも効果がある程度復活します。
きちんと下地処理をしてあるコーティングは、タオルで拭いた程度では落ちないでご安心ください。
2つ目はガラスコーティング用のワイパーを使用することです。
値段は1.5~2倍程度になりますが、PIAAやソフト99から販売されている「撥水ワイパー」を使用することで、かなりの長期間効果を維持することができます。
また撥水ワイパーほどでは有りませんが、グラファイトワイパーと呼ばれる炭素粒子のコーティングが施されたワイパーを使用するのも効果的です。
まとめ
車を安全に運転する上で、周りの状況を的確に把握することは非常に大事です。
そして運転時の状況把握は、視覚情報がその殆どを占めています。
特に雨天時の夜間の運転は非常に視界が悪いので、少しでもクリアな視界を確保して安全運転をするために、きちんとした窓ガラスのメンテンナンスを施すことをおすすめ致します。
「自分の車がどういう状況かよくわからない」
「何をすれば良いのかわからない」
そんな場合は電話、LINE、メールにてお気軽にお問い合わせください。
ご要望に応じて最善のアドバイスをさせていただきます。
↓JAPAN GOLD WASHのウィンドウコーティングメニューはこちら↓
5月 31, 2020 12:43 pm Published by ichigeki.pikalin ~ディーラーでコーティングすると渡されるメンテナンスキット、使ったことありますか?~
「安心」なはずのディーラーの盲点
新車で車を買う方の多くが、ディーラーでコーティングを一緒にやってもらっているかと思います。
そしてディーラーでコーティングをすると、なにやら液剤やらスポンジやらが入った謎のボックスがトランクに積んだ状態で納車されます。
これはいわゆるコーティングのメンテナンスキットと呼ばれるものです。
わざわざメンテナンスキットまで一緒につけてくれるなんてとても親切!
さすがディーラー!安心!
のはずですが…
このメンテナンスキット、一回でも使いましたか?
そもそも、メンテナンスキットの使い方を知っていますか?
そこが実はとっても大事なことなんです。
ディーラーでお車を購入したときに、いつの間にかコーティングも見積もりに載っていて、
「キレイにコーティングもかけておきました!」とにこやかに説明する営業担当の方。
その方は、きちんと説明してくれましたでしょうか?
・なぜコーティングが必要なのか。
・どのようなコーティングが施工されているのか。
・いつまでコーティングの綺麗さが続くのか。
・綺麗な状態を維持するにはどうすれば良いのか。
あなたのご担当の方はいかがでしょうか?
ディーラーさんのコーティングは、金額相応にハイクオリティのものが多いです。
しかし致命的にかけているのは、「コーティングの経験値、理解度と説明力」です。
営業担当のセールスマンはコーティングのプロでは有りません。
作業担当のメカニックは洗車のプロでは有りません。
彼らは車を売るプロであり、車を直すプロなのです。
私たちJAPAN GOLD WASHのスタッフは、車を売ることも直すこともできません。
しかし、洗車のプロでありコーティングのプロなのです。
車のボディも人間のお肌と一緒。
JAPAN GOLD WASHでは、ボディのメンテナンスは「人間の皮膚」と一緒で、きちんとしたメンテナンス、お手入れが必須だと考えています。
人間は新陳代謝によって日々新しい組織に生まれ変わっていきますよね。
しかし車のボディは新車時に塗装されたものが廃車までそのままのことがほとんどです。
そう考えると、むしろ人間より過酷な状況であると言えます。
鳥糞や黄砂、花粉に酸性雨、紫外線や間違った方法の洗車などなど…
ボディやコーティングはそういったものに日々さらされ続けているからこそ、メンテナンスが大事です。
そしてJAPAN GOLD WASHの会員制洗車では、月に1~4回の洗車をすることで常にコーティングの状態のチェック、メンテナンスを行うことが可能になっています。
どのくらいの頻度でディーラーに行きますか?
ボディとコーティングのメンテナンスは、日頃から定期的に行っていくものです。
ところであなたはどのくらいの頻度でディーラーに行っているでしょうか?
車検の時?1年点検の時?オイル交換の時?
もし、オイル交換のたびにディーラーに持っていっているとして、距離を乗る方でも3ヶ月に1回程度でしょうか?
1年に1回、数ヶ月に1回ではメンテナンス頻度として充分とは言えません。
「5年耐久!年に1回のメンテナンスでOK!」
そのような謳い文句のコーティングは多数ありますが、それは非常に限定された環境にある車にしか適用できない言葉でしょう。
最低でも1ヶ月に1回、それがJAPAN GOLD WASHの考えるメンテナンス頻度です。
そしてメンテナンスとは特殊な作業ではなく、「きちんとした洗車をする」ことです。
毎月ディーラーに洗車のために方はいないでしょう。
なぜならディーラーは洗車場ではないからです。
大事なのは情報量
私たちJAPAN GOLD WASHはすべての会員様ごとにカーカルテを記録しています。
日頃どんな乗り方をされているのか?
どんな場所に出かけるのか?
どのぐらいの距離を乗るのか?
撥水がいいのか、親水が良いのか?
ツヤを重視するのか、保護性能を重視するのか?
そういったお車に関する情報とお客様のご要望を、日頃の会話の中から拾っています。
だからこそ、お客様に合わせた最適なコーティングの提案ができますし、最適な方法で洗車ができます。
白いボディで水垢を気にするお客様には親水コーティングを。
黒いボディで深い艶を求める方にはコーティング+WAXを。
そしてそれぞれにあった普段の洗車を。
ディーラーのコーティングをテンプレート的な建て売りの住宅とするならば、JAPAN GOLD WASHのコーティングはオーダーメイドの注文住宅です。
コーティングの選択肢はとてもたくさんありますので、あなたが納得できるコーティングを施工していただくことをおすすめします。
5月 10, 2020 2:13 pm Published by ichigeki.pikalin 頻繁に使用される車ほど、汚れがちな運転席。
「白やベージュは汚れが目立つから仕方ない」と諦めていませんか?
たまにしか乗らない趣味の車に比べて、業務や通勤で使用されている車は特に室内が汚れやすいです。
今回ご依頼いただいたマイバッハも、日頃お仕事の移動で利用されているとのことでした。
運転手さんが座る運転席と、オーナー様が乗られる左リアシートが特に汚れが激しいということで、運転手の方よりご相談を受けました。
明るいベージュ系のレザーシートと毛足が長めなフロアマットですね。
高級車によく見られる高い質感の内装ですが、やはり汚れが目立ちやすいという欠点はあります。
業務で使用される車は特に、雨の日でも使う必要があれば使われますし、濡れた靴などで踏まれたフロアマットは通常の室内清掃ではなかなか綺麗になりません。
【施工前】
【施工後】
今回も専用の特殊な溶剤と洗浄器具を用いて、シートやマット へのダメージを少なく、劣化を最小限に抑えて綺麗にさせていただきました。
レザーシートも、通常は自動車向けの皮革は樹脂コーティングが施されていて水拭きである程度の汚れは落ちるのですが、今回の事例のように黒ずみがかなり固着してしまっているような場合は、それだけでは綺麗になりません。
レザーシートのお手入れついての記事はこちら
ただ闇雲に強くこすることを繰り返してしまうと、余計にコーティングを劣化させてしまうことになります。
また洗浄力の強すぎる溶剤を塗布したりすると、レザーそのものの色落ちにつながるリスクもあります。
レザー、及び表面の樹脂コーティングを傷めないために、溶剤の選定と施工方法にはこだわっております。
細心の注意を払って施工を施すことで、高級なお車の価値を落とすことなく仕上げさせていただいております。
今回のような事例は、付着した汚れが徐々に堆積していくことによって落ちない汚れとなって残ってしまいます。
弊社の会員制洗車サービスにご登録いただいている方は、定期的に汚れを落とすことでこのような事態に陥ることを未然に防いでおります。
飲みこぼしのシミや靴で蹴ってしまった跡など、軽微なもので短時間の作業で落とすことができる汚れは、通常の洗車サービスの範囲内として無償で対応させていただいております(※ゴールド会員以上)。
また予め通常の樹脂コーティングより更に防汚性能、対劣化性能を高めたレザーシートコーティングもオプションとしてご用意しておりますので、お車の利用頻度が高い方はそちらの施工もおすすめ致します。