高級天然ワックスと一般のワックスの違いについて、洗車のプロが解説します。
「高級」「天然」って何が違うの?WAXはWAXでしょ?
そう思っている方が大半だと思いますが、実は同じワックスでも全く違うものなのです。
今回はその「ワックスの違い」について解説していきたいと思います。
「石油系ワックス」と「天然ワックス」の違い
石油系ワックスと天然ワックスの違いは、ずばり「原材料」です。
石油系ワックスはその名の通り、石油成分が多く添加されています。
カーワックスの主成分として使用されるのは「カルナバロウ」という植物由来の蝋です。
しかしこのカルナバロウは非常に硬質で、そのままでは自動車のボディに塗布できません。
そのため、一般の石油系ワックスは石油系の溶剤をベースとして、そこにカルナバロウを含有させることで塗りやすく、艶が出るようになっています。
一方で天然ワックスは、その名の通り「天然由来の成分」のみを使用したワックスになります。
カルナバロウの含有率も高いものが多く、そこに添加されるのも植物性のオイルなどで、石油系溶剤を使用していないことがポイントです。
この天然ワックスの中でも種類があり、使用されるカルナバロウのグレードがいくつかあります。
最上級のコスメティックと1号から5号まであり、化粧品などにも使用されるコスメティックグレードは透明度が高く良質な艶を出すことができます。
石油系ワックスの使い方
石油系ワックスは、その添加剤の豊富さから様々な効果があるものが多いです。
・コンパウンドを含有し水垢、傷落としに優れたもの
・UVカット成分を含有し紫外線対策になるもの
・撥水剤を含有し強い撥水効果を持つもの
自分の目的にあった選ぶことができるので、ご自身の愛車とボディの状態に合わせてワックスを選びましょう。
使用にあたってはいくつかの注意があります。
特にコンパウンドを含有するWAXについては、コーティング施工車には使えません。
コンパウンドがコーティング皮膜を削ってしまうリスクがあります。
コンパウンドを含有しないものであっても、石油系ワックスはその溶剤がコーティングに悪影響を及ぼす可能性があるので、使用はお勧めできません。
石油系ワックスのメリット
・用途に合わせていろいろな種類から選べる
・塗りやすいように成分調整がされているので作業性がよく素人でも簡単に塗れる
・安価かつ簡単に入手できる
石油系ワックスはホームセンターやカー用品店で簡単に入手できます。
値段も1,000円以下のものもあり、非常にリーズナブルです。
初めてワックスを施工する人でも簡単に作業できるものが多いです。
石油系ワックスのデメリット
・コーティングとの併用ができない
・ワックス自体が柔らかく雨などで流れ落ちやすい
・紫外線や酸化などの影響を受けやすい
一般的なワックスは数回の降雨や洗車で艶が落ちてしまいます。
あくまでボディに塗り付けられているだけなので、耐久性は高くありません。
石油系の溶剤がベースとなっているので、紫外線や酸化による変質を起こしやすく、そう言った意味でも頻繁にワックスを塗り直す必要があります。
また先に述べたようにコーティングに対して悪影響を及ぼす可能性があります。
天然ワックスの使い方
天然ワックスは石油系と違い、艶出しを行う蝋といくつかの天然由来のオイル成分しか入っていない場合がほとんどです。
水垢や傷を除去するなどの効果はないため、綺麗な艶を出すためには下地が綺麗な状態である必要があります。
その分コーティングへの影響もないため、ガラスコーティングなどの上から塗布することも可能です。
塗り方としては、カルナバロウの含有率が高いほど硬く塗りづらいものになるので、温めて使用すると塗りやすくなります。
メーカーによっては体温で溶かしながら塗布する「手塗り」を推奨しているメーカーもあります。
※手塗りに関しては賛否両論ありますが、JAPAN GOLD WASHでは手塗りは行っておりません。
天然ワックスのメリット
・カルナバロウの濡れたような深い艶が得られる
・ガラスコーティングなどの上から塗布できる
・石油系ワックスより耐久性がある
とにかく艶感に関しては、高級天然ワックスにかなうものはありません。
そして天然成分でありコンパウンド等も含有しないため、基本的にコーティングに悪影響を与えることもありません。
ガラス皮膜の上に塗布することで、さらなる艶感を出すことが可能です。
さらに無機質であるガラスコーティングの弱点、ウォータースポットの付着に関しても有利です。
有機質のワックスでカバーすることでウォータースポットが付着しづらく、また付着したとしても取れやすいボディになります。
天然ワックスのデメリット
・コストが高い
・カルナバロウ含有率が高いものは低温では硬く塗りづらい
・艶を出す以外の副次的効果がない
天然ワックスのデメリットとしては、やはり価格が挙げられます。
人口で作られるものと違い、生産数に限りがある天然のものを使用しているので、やはりコストは高めで物によっては数万円以上のプライスになります。
とくにコスメティックグレードや1号などのハイグレードなカルナバロウを使用するものは、カルナバロウのなかでも取れる量が少なく希少なため、高価になります。
また本来のカルナバロウは非常に硬質で、特に冬場などの寒冷期には塗布が難しくなりがちです。
そしてコンパウンドやその他溶剤を含んでいない分、水垢落としや傷消しなどの副次的な効果はありません。
まとめ
以上が石油系ワックスと天然ワックスの違いとなります。
石油系ワックスはコストを安く抑えたい、水垢落としもまとめて行いたい、などの要望がある方に向いています。
天然ワックスは仕上がりの艶を重視する、コーティングの上から併用したい、という方に向いています。
どちらも塗り込みと拭き上げの手間はかかりますので、手間を省きたいという方にはあまりお勧めできません。
JAPAN GOLD WASHではお客様のご要望に合わせて、ワックスの施工も行っております。
ご自身でお手持ちのワックスを使用しての仕上げも可能ですので、お気に入りのワックスがある方は予約時にその旨をお伝えください。
また施設常駐型のJAPAN GOLD WASH Familiarでは、お手頃な価格でのワックス施工を行っております。
「高級天然ワックスも気になるけど、自分で買うのはちょっと・・・」
という方は、是非一度各店舗でお試しください。